頼惟清

　 旧宅は頼惟清が紺屋を営んでいた家です。
　頼氏の先祖は小早川氏の家臣で，惟清の曽祖父・総兵衛のときに竹原に移り住み，海運業と農業を営んでいました。
　 総兵衛の子である弥七郎のときに紺屋をはじめ，惟清のときにこの家に移り，父の弥右衛門の意志をついで子どもたち学問をさせ，長男・春水（頼山陽の父）は広島藩儒となり，昌平黌で講義をするほどになりました。

　弟の春風も医者・儒者として春風館を建てて学問の向上に寄与し，同じく弟の杏坪も広島藩儒となりました。旧宅は間口４間，奥行7.5間の入母屋，塗込め造りの主屋と南側に直角に棟を出した離れ座敷があります。建築は1775（安永４）年頃と考えられています（竹原市観光協会「きてみんさい竹原」に拠る）。