四川の雨は夜に降る
雨は夜に降り，朝には止んでいる....確かにそうでした。翌朝には傘いらず。なかなか都合のいい雨の降り方です。

 

　司馬遼太郎さんの『街道をゆく』「中国・蜀と雲南のみち」（朝日文芸文庫）のなかから，もうひとつ。本のなかに「巴山夜雨」ということばがでてきます。

　 ── 四川省は雨が多いですよ。
と，江南に住む中国人からきいたことがある。たしかに多雨であるらしいが，雨の降りかたが，変わっている。

「巴山夜雨」

という。巴が四川省の重慶付近であることはすでにのべた。蜀である成都中心の平野も，巴とおなじ四川省の自然地理のなかにあるため，「巴山夜雨」である。雨は深夜に降る。おかげで，日中はたいてい傘要らずで済むのである。（*）。

　確かに，夜に雨が降ることが多いです。もちろん，日中に雨が降らないことはないのですが，楽山に来て３ヵ月ほどが過ぎましたが，日中に傘を差したことはあまりありません。ほとんどが夜のうちに雨が降り，朝方にはやんでいることが多いですね。ときには，いわゆる出勤時間帯の７-８時頃まで雨が残ることはありますが....。夜，外で仕事をしているひとにとってはたまらないでしょうが，小生のようなものには，夜のうちに雨が降って，朝方にはあがるのはたいへん好都合です ^^;

* 重慶は現在は中国の４つの直轄市（北京・上海・天津・重慶）のひとつになっていて，以前は四川省内の市でしたが，1997年に直轄市に昇格し，省と同格の市になりました。司馬遼太郎さんが成都を訪れたのは，本文によれば，1981年６月のようですので，重慶はまだ四川省内の市であったころになります。