西安の暮らしを終えて
西安は陝西省の省都で，古くは「長安」とよばれ，中国古代王朝の都となった町です。古代東アジアの中心地でもあり，シルクロードの起終点でもあって，多くの文物が持ちこまれ，多くのひとが往き交いました。古代日本，多くの留学生・僧が海をこえて長安に向かいました。

 

 

　そんな西安の町ともお別れです。帰りの航空券を買いに旅行社に出かけました。大学のすぐ北のビルにあります。でも，ビルにいっても，それらしき旅行社はありません。で，そのビルの管理人のようなおばさんに訊いてみました。

　──あぁ，あったけど，移ったよ。

　移転先の住所を訊いたところ，紙に住所を写し終えると小生たちをビルの外に連れ出します。と，通りを流しているタクシーを停め，運転手に何やら話してます。どうやら運転手に住所を伝え，そこまで乗せるように話していたんです。「料金は○○元ほどだよ」

　決して愛想のいいおばさんではありませんでしたが，親切にしてもらいました。中国では無愛想なひとが多いですが，ちょっとそのひととの「間」をちぢめると，親切に接してくれるひとも多いです。

　そんなわけで，航空券を買い終え（日本で片道の航空券を買うよりもずっと安いです），長らく暮らした西安ともお別れです。