中山道六十九次をあるく
東海道はどうにかこうにか箱根湯本まであるき終え，小生の足でも４，５日あれば日本橋というところまであるきました。その後，10月に箱根湯本から日本橋まであるき，東海道五十三次４宿をあるき終えました。

 

　その東海道あるきの途中，中山道をあるいてみました。京都から草津までは東海道五十三次であるいているので，中山道としては草津からあるきはじめです。地図はこちら（近江国）。

草津宿「中山道との追分の宿」

　『東海道五十三次』「草津」では矢倉村にあった「姥が餅」を売る茶店のようすが描かれていますが，『中山道六十九次』「草津」では東海道との追分をこえて，草津川のようすが描かれています。

　草津で電車を降り，旧草津川（天井川）をくぐって，取りあえず「草津宿本陣」へ向かい，ここからあるきはじめることにしました。

　本陣はすでに訪れているので，ここでクルッと180°向きをかえ（^^;），再び旧草津川のトンネル前まで60ｍほどあるいていくと追分で，ここを右にいけば東海道です。中山道はそのまま真っ直ぐ旧草津川をくぐってあるいていきます。

守山宿「京発ち守山泊まり」

　県道２号の手前100ｍ右に伊砂砂神社があります。明治以前は「天大将軍社」とよばれ，雨乞いの神として崇められてきましたが，明治になって現在の社号になったといいます。

　重要文化財の本殿は「一間社流造（檜皮葺）」で，棟札から1468（応仁２）年の建立とわかりました（ ）。境内では昨日終わった祭礼の後片付けで，多くの地元の方が集まっていました。

　ここからさらに真っ直ぐあるいていくと，左からJR東海道線・草津線が近づいてきます。その草津線が右（東南）方向に大きく弧を描いて曲がる手前，トの字状の狭い路を線路に沿ってまっすぐあるいていきますが，ここにある中山道の案内板には，トの字状ではなく，コの字状に迂回するするように指示されていました。反対側（葉山川側）は確認してませんが....^^;

　葉山川で丁字路状に交差する路を左に曲がって高架をくぐり，すぐに右（北）に曲がってあるいていきます。ここからは県道２号をあるいていきます。

　綣（へそ）・大宝神社
　県道31号との交差点「花園」の手前に「ここは綣」というような地名表示がありました。もちろん，読めません（^^;）。「何と読むんだろう？」とかみさんと話していると，通りかかったおじさんが「へそと読むんだよ」と教えてくれました。

　これはどうひっくり返っても「へそ」とは読めません（^^;）。何でも機織りに用いる「より合わせた糸」のことをいうのだとか....。こういう地名にはふりがなをつけた地名表示にして欲しいものです（ ）。

　大宝神社は名まえの通り大宝年間に創建された神社で，この辺りでは本社にあたる神社のようです（大宝神社のまわりは「大宝公園」になっていて，トイレがあります）。近在のいくつかの神社はこの神社の末社とかで，大宝神社の近くが栗東と守山の市境ですが，栗東の子ども神輿が守山の町にまで練りあるいていました。

　栗東から守山に入ると，池田屋事件で知られる古高俊太郎の生誕地碑，小野篁が開いたと伝えられる十王寺（閻魔堂），住蓮房母公墓，滋賀でただひとつ残されている「今宿の一里塚」，樹下神社などがあります。

　東門院（守山観音）
　ここを過ぎると加宿の今宿で，守山宿に入っていきます。県道２号が右（東）に曲がるあたりに「東門院（守山観音）」があります。東門院は800年前後に比叡山の僧坊のひとつとして最澄によって開かれ，桓武天皇は「比叡山を守る東門」（守山寺）としたといい，ここから「守山」となったといいます。守山宿は「京発ち守山泊まり」といわれ，旅籠や商家が軒を連ね，多くの旅人で賑わったといいます。

東門院（守山観音）

　東門院から右に曲がると左に高札場，右に「中山道街道文化交流館」（トイレ有り）があります。ここでひと休み。係のおばちゃんが冷たい麦茶を出してくれました。

　本陣推定地
　この近くに本陣推定地（小宮山九右衞門家）がありますが，案内板だけです（それによると，皇女和宮も宿泊したといいます）。さらにその先に築140年ほどの「守山宿まち家うの家」があり，レストラン「味蔵」・和カフェ「忍ぶ庵」が併設されています（ ）。

武佐宿「横関川の渡しで道迷い」

　加宿の吉見から野洲川をわたると，左に十輪院，右に石仏があり，行畑のはずれ，「背くらべ地蔵」（ ）の先で朝鮮人街道（ ）との分岐を右にあるいていきますが，今日はここまでにしてJR野洲駅へと向かいます。

2017年７月追記　2017年７月に朝鮮人街道を野洲から安土まであるきましたが，中山道との分岐点にあった道標はなくなり，分岐点のガードレールに案内板が移されていました。何でだろう？