中山道六十九次をあるく
2018年に軽井沢（六本辻）まであるきましたが，ほぼ10ヵ月ぶりに再び中山道あるきです。いよいよ碓氷峠をこえて上野国（群馬）にはいり，日本橋をめざしてあるいていきます。さて，無事に日本橋まであるいていけるやら......。

　久しぶりの中山道です。碓氷峠をこえて，いよいよ関東平野へと，はいっていきます。碓氷峠さえこえれば，あとは基本的に平地です ^^v 地図はこちら（上野国）。

軽井沢宿「明治に避暑地となった軽井沢」

　しなの鉄道の軽井沢駅（JR軽井沢駅でもありますが ^^;）前から，前回あるいた「六本辻」まであるいていきます。雨の碓氷峠はイヤだなぁ...と思ってましたが，この日は朝からいい天気で，青空が広がっています。

　軽井沢宿は明治になって衰退してしましたが，1888（明治21）年にカナダの宣教師アレクサンダー・クロフト･ショーがここに別荘を建てたことから，軽井沢は避暑地（別荘地）として発展していきました。

坂本宿「碓氷峠と関所で賑わう」

　旧軽井沢は朝早くから多くの観光客であふれていましたが，小生はほとんど興味がないので足早に通りすぎ，つるや旅館やショーハウス記念館の前から二手橋（トイレ有り）へと向かいます。

　中山道は二手橋から県道133号を進み，途中から聖沢をあるいていくようですが（*），小生は二手橋の先から遊歩道をあるくことにしました。遊歩道となってはいますが，山あるき道です ^^; 遊歩道の入口には，いつもの（^^;），「野生動物（クマ）生息地域」があり，クマ出没注意です。小生も最初は観光地によくある遊歩道（散策路）的な道を想像していたのですが...。

　遊歩道の入口からゆっくりあるいて約１時間半，見晴台入口あたり（トイレがあります）に出てきます。長野から群馬へ，見晴台から浅間山などの展望を楽しみながら小休止。

　熊野神社にお詣りして，峠を下っていきます。道はそれなりにしっかりとしており，「安政遠足（）｣（毎年５月の第２日曜日に「安政遠足侍マラソン」がおこなわれています）の案内板もあり，それを目印にあるけばルートはわかりやすいです（ただ，「安政遠足侍マラソン」は和宮道が正規のルートになっています）。

　それでも，雨や霧がかかるとルートを間違いやすいようですので，注意が必要です。熊野神社からゆっくりと下り，子持山（熊野神社を過ぎたあたりから左にいくと「和宮道」で，ここで合流します）・陣馬が原（）・三陸開発別荘地跡（）・山中坂（）・山中学校跡・山中茶屋跡（）・入道くぼ（）・栗が原（）・座頭ころがし（）・刎石の一里塚・北向馬頭観音・碓氷坂の関所跡・四軒茶屋（刎石茶屋）跡（）・弘法の井戸（）・風穴・覗（）・刎石坂（）など過ぎ，昼食をふくめて約３時間，国道18号です。

　長い下りで，膝を痛めてしましそうでした ^^; 京都からは下りですが，江戸から来るとこの道は辛い上りです...。刎石山あたりは平地のような道ですが，そこからは急な下りです。刎石山近くにある「覗（のぞき）」からは坂本宿が一望できます。

脇本陣跡（坂本公民館）

　坂本宿は碓氷峠の上り口にあたるところから，1625（寛永２）年につくられた宿で，碓氷の関所もひかえていたところから旅籠も多く，大いに賑わったといいます。しかし，1893（明治26）年に鉄道が通ると宿は衰え，1908（明治41）年に歌人の若山牧水が訪れたときには，旅籠は「蔦屋（）」ただ一軒だけだったといい，蚤に悩まされたといいます（「碓氷関所保存会」の資料に拠る）。佐藤本陣跡・脇本陣永井跡・旅籠「かぎや」跡・酒屋脇本陣跡（坂本公民館）などが残されています。

碓氷関所跡

松井田宿「雨が降りゃこそ松井田泊まり」

　坂本から霧積橋をこえると碓氷の関所です。関所は1616（元和２）年に設けられ，「入鉄砲と出女」を厳しく監視しました。東と西に門があり、西を幕府，東を安中藩が守っていました。今は東門が復元され，関所資料館もつくられています。

　関所跡では保存会の方々がボランティアで説明をしてくれています。お話をしてくれた方は元鉄道員，今はなくなってしまった碓氷峠をこえる信越線の運転士をしていたそうで，関所の説明よりもアプト式の鉄道の話が多かったです...^^; 小生，関所の説明もおもしろかったですが，熱のはいった鉄道の話の方が楽しかった...。今でも，当時の鉄道に対する思いが強く伝わってきました。ここから「峠の釜めし」で知られるJR横川駅まであるいて，今日はお終いです。難所といわれた碓氷峠をこえてちょっとほっとしながら，信越本線の電車に揺られて高崎に向かい，今日は高崎泊まりです。